住宅の坪単価

新聞折り込みのチラシなどで建築費坪40万円～といった広告を見かけることがあります。

1坪あたり40万円の建築費なので、30坪の家であれば1200万円で家が建つと思ってしまいますが、実際にはその金額で建つことはまずありません。

安さをアピールする広告の坪40万円に含まれるものは、基本的に建物本体工事の金額のみだからです。

実際に住宅を建てるのには建物本体工事以外に様々な工事やその他の費用が必要になります。

住宅を建てるのに必要な工事

家を建てるには、建物本体工事以外の付帯工事として屋外給排水工事費、外構工事、空調工事、インテリア工事としてカーテンレール・カーテン・照明器具などがあり、これは金額の大小はあっても必ず必要になる工事。

その他にも既存建物の解体工事、地盤の悪い場合には地盤改良工事、敷地に給水管や排水管が引き込まれていない場合には引き込み工事などが必要になることがあります。

（それぞれの工事の内容については家づくりにかかる費用にまとめてあります。）

当事務所の場合、参考金額として住宅の坪単価を屋外給排水工事、空調工事、インテリア工事を含めた金額で提示しています。

このようなケースもあり、ハウスメーカー、工務店によって金額の提示の仕方が違うので金額の中に何が含まれていて、何が含まれていないかを確認する必要があります。

家を建てることは、ほとんどの方にとって初めてのことなので、坪単価が安く表示しているから安く出来上がると思いがちですが、広告の坪単価はあてにならないと思った方が良いと思います。

そもそも建築での坪単価というのは、予算と基本設計をすり合わせる打ち合せの段階で、工事金額の概算を算出するために、過去の実例の金額などを元に便宜的に使用するものであることを理解しておいて頂きたいと思います。

安い坪単価を謳っている住宅で標準設定してあるキッチン等の設備、外壁材、内装材は、いづれも市場に出回っている建材の中で最も安価な仕様のものが多いです。

その為、契約後の打ち合せの中でせめてもう少し良い仕様に変更しようと、オプション内容に追加変更した場合は、ここぞとばかりに施主からの要望として利益を得ようとするために予想以上に高い追加変更見積りが出てきます。

安く建てるために坪単価を安く謳うところに依頼したのに、結果的に割高な家になってしまうことになります。

建築においては、安くて良い建物というのはまず無いと思って頂いた方が良いです。

契約してしまった後に、当初の話と違うと訴えてもほとんどの場合が、契約書に様々な費用が別途かかると記載されているので後の祭りになってしまいます。

広告や営業トークに惑わされずに、出来れば信頼できる専門家に相談しながら適正な価格で質の良い家を建てられるように進めていくことが、満足のいく家づくり、そして個人が住宅という不動産に投資する上で損をしない為の一番の方法かと思います。

上記の色々な工事以外にも、住宅を建てて実際に住むまでにはローンの手数料、不動産の登記、火災保険、電化製品の購入、引っ越し費用など色々な費用が掛かります。

家づくりにかかる費用の中で出来るだけ漏れがないようにまとめてありますので参考にしてください。