もしも​工務店、設計事務所、ハウスメーカーで​全く同じ住宅を建てた場合の建築に掛かる費用の比較​

工務店の
建築費用内訳

○工事費用
・材料費+職方の人件費
2000万円と想定

○工務店経費
・実経費+利益

○設計費用
・外注の構造計算・申請費用等又は、社内で行う場合はその費用
・プランは工務店自身で行うケースが多い

○その他
・見積り金額は合計の2300万円で提示される。

設計事務所の
建築費用内訳1

○工事費用
・工務店依頼と同じく
材料費+職方の人件費

○工務店経費
・実経費+利益
・設計事務所は工務店数社に見積依頼をして、競合入札となるケースが多く、設計事務所による見積書のチェックが入ることから工務店に直接依頼の場合よりは安くなることが多い。

○設計監理費用
・設計事務所の報酬
・見積金額(工事費用+工務店経費)
×10%~15%程度
・又は、工事施工面積で算出する設計事務所もある

○その他
・2200万の見積り+250万の設計料

ハウスメーカーの
建築費用内訳2

○営業経費
・営業実経費+利益
・営業担当の報酬、展示場の運営費、CM等の広告
・設計担当一人に対して4人位の割合で営業担当がいる。
・営業担当の報酬は利益率をどれだけ確保出来るかで左右されるため、同じメーカーでも営業担当によって見積書の金額が異なる場合がある。
・展示場の運営費は、住宅展示場の場所代、展示場の建設費、年間の空調等光熱費、常駐の案内係りの人件費等。

○その他
・見積り金額は合計の2550万円で提示される。

工務店に直接依頼した場合のメリット・デメリット

メリット

・自分が良いと思える工務店に依頼することが出来る。
・一般的に最も安くつくることが出来る。

デメリット

・見積りの内容も明細がなく、一式見積りになっていることが多く、施主と工務店の2者契約の為、金額の妥当性が不明なので、内容に対して安いのか高いのか分からない。

・きめの細かい打ち合わせ、設計は望めない。

・契約内容が明確でない場合が多く、仕様の説明も十分でない場合が多い。発注前に、材料や設備の色の確認がある。

・金額面、工事内容で気になることや不安に思うことを相談する人がいない。

・現場監理は、自主監理となるので工務店によって品質に大きな差が出る。もし問題(瑕疵)があった場合でも工事中発見できず、出来上がってしまえば表面からは分からないケースが多い。

設計事務所に依頼した場合のメリット・デメリット

メリット

・自分が良いと思える設計者に依頼することが出来る。

・じっくりと打ち合わせながら、設計を進めることが出来る。

・工事見積り金額や工事契約内容が妥当かを設計者に判断してもらえる。

・設計だけでなく、工事が始まってからの現場監理も行う。
工務店の仕事を第三者として監理するので、問題点を発見した場合に指摘し、修正が行われるので品質が安定しやすい。

・工事中に気になったことや不安になったことを、専門家としての第三者の意見が聞けるので納得しながら進めることが出来
る。

デメリット

・設計図書の量が多く、設計に時間が掛かる 。

・デザインや仕上げ材にそれ程のこだわりがない場合には 、打ち合わせや検討しなければいけない内容が面倒 。


・ローン等のお金の工面や検討を自分で行わなければいけないので手間が掛かる 。

・一般的 に 実施設計業務完了後に、工務店に見積り依頼 となる 為図面が完成するまで金額が確定しない。予算をオーバーして見積り内容 設計内容の修正が必要になる場合がある 。

・工務店、設計事務所共に個人経営の為 、不安 。
→現在 、 新築住宅を建てる際には 、 工務店は瑕疵担保保証 に加入しなければいけない 。依頼する設計事務所が建築士賠償責任補償等 に 加入しているかなどを確認しておく 。

ハウスメーカーに依頼した場合のメリット・デメリット

メリット

・最初の計画案の提出時に金額も提示されるので分かり易い。

・ローンの検討や手続き等の準備を営業担当が行ってくれる。

・営業、設計、監理それぞれの担当の対応や工事に問題が
あっても、企業として対応してもらえる安心感。

・商品として住宅の仕様が決まっている為、設備や仕上げの決定をメーカーのショールームで実物を見ながら悩まずに決定できる。

デメリット

・見積り金額の妥当性が施主からは分からない。

・見積り上には反映されてこないが、営業経費が実際にはかなり計上されている。

・住宅メーカーをえらんで、気に入った会社に依頼するので、営業、設計、工事監理担当、施工者を自分で選ぶことが
出来ない。一般的に営業担当は、展示場で最初に対応した
人が担当する。知り合いの紹介で指名したい場合は、指名することが出来る。

・ハウスメーカーに一定の品質の商品として住宅を依頼してはいるものの実務を行う営業、設計、工事監理の担当、下請けの職方の仕事の質には差があり、当り外れが意外と大きい。

・住宅は商品として考えられており、仕様は会社の規格で決まっている為、設計事務所のような特殊技術を要する設計・工事が出来ない。

・契約後の打ち合わせで、標準仕様では満足できない場合が多く、オプションを選んだ場合かなり割高の追加見積書となる。

工事金額の確定(契約)、着工までの流れ

工務店・ハウスメーカー

STEP
プラン提示 ・ 見積書提示
STEP
設計 ・ 工事契約

プラン・見積もり書がNGの場合は、再提示

STEP
着工準備

(実施設計 ・ 打ち合わせ・ 追加変更契約

STEP
確認申請
STEP
着工

設計事務所

STEP
プラン提示
STEP
実施設計・打ち合わせ

プランがNGの場合は再提出

STEP
工務店に見積り依頼
STEP
見積書提出
STEP
工事契約・確認申請

NGの場合、図面・見積もり調整

STEP
着工